2022-08-12 00:13:00
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コメント(12)
『前回の起動実験はパイロット不在で終わったでござる!
こればかりは所割の問題でござるから仕方ないのでござるよ!!』
厠氏の声が響き渡る。
とは言え、参号機も美味しく調理された訳だから、宇宙暮らしの人間にはありがたい産物だ。
昔の大航海時代など壊血病などの病気が流行ったくらいだ。
栄養補給は我々の重要な任務の1つでもある。
『この間のラタトゥイユ美味しかったっす。』
作業員が口々に言う。
『ところで、肆(4)号機の開発は順調なようござるな。』
小さなプラスドライバーを手に何やらやっている女性に声を掛けた。
メカニックの菖蒲田主任だ。
『ああ、パイロット待ちだからね。
地球の雨がこっちまで影響してるから、ケーブルに繋いだままだけれど、
ま、どうにかなるだろうさ。』
電報係の男が慌ただしく走ってくる。
『大変です!
塩谷教授の自宅から新しい設計図が見つかりました。
遺品の整理から出てきたそうです!!』
日付は一番新しい。
覗きこむと
…
…
…
…口火を切ったのは、やはり菖蒲田主任…。
『おい!これ!みどりじゃないか!
いっつもこんな雰囲気だけの設計図送って来やがって!!
だれだぁ??
黄色って言ったのは!!
“ぜんぶ食べられる”も目標の1つだろ!
ペンキで塗って…何て手は通用しないぞ!!
だいたい、そういうとこ塩谷教授、適当なんだよ!!』
拙者だけは知っているのでござる。
先ほど、菖蒲田主任が修理していたのは、塩谷教授が癇癪起こして壊した腕時計の数々だった事を。
肆号機の味が楽しみでござる、と思ったのは拙者だけではないであろう。
色の変更は…。
菖蒲田主任に任せるでござるよ。
食の安全もこのプロジェクトの目的でござる。
※余談でござるが、この形も食べられるまでは成功したでござる。
山椒の畑をイメージして単語を入力していったらこうなりましたの…。
畑・ニンジン・バジル・ニラ・オクラ・ニンニク等はどこへ行ったのやら…。
ちなみに一番最初に作ったのは、青い空にズッキャーニャが飛んでいた。
保存の仕方が分からなかったのでなくなった。
他の野菜もあるよーと再チャレンジ。
情報不足と思って、単語を追加で入力して行った結果がコレ。
畑…だろうか。
大きいズッキャーニャが生えているので畑なのだろう。
八葉とりる様
基本仕事熱心な菖蒲田主任、塩谷教授が亡くなったことと、起動実験ができないことでイラついているようです。
そこに来てこの設計図で、イライラが爆発した模様。
上司である厠師匠のPCの中身も把握しているみたいですよ。
先に死ぬわけにはいかんのでござる!といっている横で
『でしょうね。ぷぷぷー』と、まあ関係性は悪くない様子。